ビタミン

ビタミンは細胞の材料やエネルギーにはなりませんが一日何ミリグラム、何マイクログラムとゆう量で生理作用を発揮する、微量栄養素です。 ビタミンは体内で合成されず食べ物から摂取しなければならない必須栄養素です。 ビタミンは炭素を含む複雑な化学式をもっている有機化合物で、微生物や動植物の生命活動によって生み出されたものです。 多くのビタミンは糖質、脂質、たんぱく質。の代謝(栄養素の分解、体の組織合成、エネルギー変換)を円滑におこなう働きがあります。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンC、B郡(血液や消化液に溶ける)があり小腸で吸収され肝臓に運ばれ各組織で利用されます。 ビタミンCは酸化型と還元型があり、体内で酸化型になることによって他の物質に対して還元力があります。例えば

  • 活性酸素を除去する働き
  • 吸収されずらいh鉄分を還元することによって吸収をアップする。
  • コラーゲンの原料になるアミノ酸(プロピンやリシン)を水酸化することにってコラーゲン合成を促進。
  • 発ガン物質(ニトロソアミン)の生成を抑制

などがあり喫煙や寒冷ストレスを受けると余分に消費されます

 ビタミン  科学名  主な働き
  •  特徴
  • 欠乏症
 摂取目安
ビタミンC アスコルビン酸
  • 強力な還元力
  • 抗酸化作用
  • コラーゲン合成
  • 活性酸素除去
  • 鉄を還元することによって吸収アップ
  • 皮膚や骨の強化
  • 抗がん作用
  • 水に溶けやすい
  • 熱に弱い
  • 調理損失しやすい
  • 壊血病
  • 疲労感
100mg  

水溶性ビタミンB郡は酵素の手助けをし(補酵素)、糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー転換における代謝(体内の化学反応)に役立ちます。消化酵素は単体で働くが酸化還元型酵素はビタミンB郡と結合することで活性化します。

B1  チアミン
  •  糖の代謝に役立つ事によって脳のエネルギー(ブドウ糖)をつくる
  • 各組織で神経伝達に役立つ
  • 胚芽付の米、パン、豚肉、魚など多い
  • 精白米は玄米のB1が20%しかない。
  • 玉ねぎやニンニクに含まれるアシリンと結合すると損失が少なくなり吸収アップ
  • 糖質やアルコールを多量に摂る人、運動消費エネルギーが多い人は欠乏病(脚気、神経炎)になりやすい。
1.1mg  
B2  リボフラビン
  •  脂質、糖質、たんぱく質のエネルギー転換における代謝を補酵素としてサポート
  • 皮膚、爪、髪のたんぱく質の代謝に関与している事から発育のビタミンと呼ばれている
  •  レバー、魚、納豆、に多く含まれる(動物性に多い)
  • 納豆菌がビタミンB2を合成する
  • 調理損失がしにくい
  • 口内炎
  • 目の充血
  • 成長障害
  • 脂質をエネルギーに十分に変換できず蓄積される
  • 薬を長期間服用すると不足しやすくなる
 1.4mg  
B6  ピリドキシン
  •  分解されたアミノ酸をたんぱく質(皮膚や髪の原料)の合成に役立つ
  • 脂質の代謝をサポートし肝臓脂肪の蓄積を抑える
  • セロトニン、ドーパミン、アドレリナリン、ギャバ、などの神経伝達物質の合成に役立つ
  •  レバー、肉、魚、野菜、大豆に多く含まれるが植物性は利用率が低い
  • たんぱく質の代謝に関与しておりたんぱく質の摂取が多い人ほど必要量が増える
  • 体の組織の異常(口内炎、皮膚炎)h
  • 貧血、
  • 神経系の異常
  • けいれん
 1.1mg
B12  コバラミン
  •  赤血球の合成に必要な葉酸の働きを助ける(貧血予防)
  • 脳を正常に機能させる(中枢神経機能の維持)
  • たんぱく質、核酸の合成
  •  植物性食品には含まれておらず肉、魚に含まれる
  • 胃から分泌されるたんぱく質と結合し小腸で吸収されるため胃の健康も大切である
  • 悪性貧血
  • 神経障害
  • 睡眠障害
 2,4μg
B5  パントテン酸
  • 脂質、糖質のエネルギー変換の代謝(化学反応)
  • 140以上の酵素の補酵素として働く
  • ホルモンの合成
  •  あらゆる食品に含まれる(加工食品は分解されるためあまり含まれていない)
  • 動脈硬化
  • 毛髪異常
  • 皮膚炎
  • 頭痛
  • 成長障害
5mg
B3  ナイヤシン (ニコチン酸)
  •  脂質、糖質、たんぱく質のエネルギー変換の時に補酵素として働く
  • 二日酔いの原因となるアセトアルデヒトを分解する
  • 血管拡張作用により皮膚の合成に関与することから肌のビタミンと呼ばれる
  • ニコチンとは生理作用はまったくことなる。
  • 悪玉コレストロールを運ぶアポタンパクBを減らす

 

  • 魚、肉、レバー、種実に多く含まれる
  • ニコチンとは生理作用はまったくことなる。
  • 体内でトリプトファン(アミノ酸)から60分の1で作られる
  • 皮膚炎、
  • 神経障害
  • 舌炎症
 12mg
葉酸  プテロイルグルタミン酸
  •  DNAは核酸で出来ており核酸の合成に役立っている。細胞分裂に役立つ
  • 赤血球を作るのに必要なので血造ビタミンと呼ばれている
  • 緑葉野菜やレバーに豊富
  •  細胞増殖が盛んな胎児には特に重要なビタミン(アメリカ)では妊娠の予定のある女性400mg、妊婦は800mgと勧告している
  • 血造作用悪化による悪性貧血
  • 肌荒れ、疲労感
  • 動脈硬化

 

 240mg  
H  ビオチン
  •  脂質、糖質、たんぱく質のエネルギー変換の時に補酵素として働く
  • 皮膚や髪の健康維持に大切な存在です。
  • 白髪にも有効と考えられている
  • 核酸(DNA)の合成に補酵素として働く
  •  魚、レバー、肉、卵に多く含まれ腸内細菌からも合成される
  • 生の卵白に含まれるアビシンはビオチンの吸収を妨げるため卵白は加熱したほうがよい
  • 皮膚炎
  • 脱毛
  • 粘膜炎症
  • インシュリン分泌不足

 

 50μg

油溶性ビタミン

ビタミンA,D,E,Kは水に溶くにくく、油脂やアルコールに溶けやすい性質をもちます。肝臓に蓄積しやすいためサプリメントで大量に取るときは注意が必要です。

         
A レチノール βーカロテン
  • 口、のど 、鼻,肺、胃などの粘膜を守りウイルスから守る
  • 目が光を感じるのに必要な網膜の色素ロドプシンの主成分
  • 細胞膜を通過しDNAを転写させ新しい細胞を正常に保つ
  • レチノールは動物性に多く含まれる、βカロテンは植物性に多く含まれる
  • βーカロテンは小腸でビタミンAに変わる
  • 粘膜が弱くなり感染病にかかりやすくなる
  • 夜盲症
700mg
 D  カルシフェロール
  •  血中のカルシウムは神経伝達や筋肉の収縮に必要で常に一定濃度に保つ働きがある
  • 細胞膜を通過しDNAを転写させ新しい細胞の骨に関与している
  • カルシウムの吸収を助ける
  • 血中のカルシウムを骨まで届ける
  •  ビタミンなのに人の体内で合成される(日に当たると皮膚で作られる
  • 魚(青背魚)卵黄、キノコおおく含まれる
  • 骨軟化症

 

 5,5μg
 E トロフィロール
  •  末梢血管を広げ、血行をよくする
  • 強い抗酸化作用
  • ミトコンドリアがエネルギーを作るときにでる活性酸素は、細胞膜を構成するリン脂肪酸を過酸化脂質にしてしまう。この活性酸素を還元し細胞の老化をふせぐ

(ビタミンEは細胞膜に存在して活性酸素から細胞を守る)

  •  ビタミンEが活性酸素を還元し抗酸化力をなくします。するとビタミンcから電子をもらい抗酸化力が復活します
  • 種実類、植物油、魚介類に多い
  • ストレス(寒さ、紫外線)の多い野菜ほど抗酸化成分がふえる
  • 摂取しすぎの過剰症は起きにくい
  • 細胞膜の脂質の酸化
  • 動脈硬化
  • 老化
 
 K  フィロキノン
  •  血液を固める酵素になる(傷などの止血)
  • 骨芽細胞を活性化し骨を作るのに不可欠です
  • カルシウムが骨から溶け出すのを防ぐ
  • 緑葉色野菜、海藻に含まれる
  •  微生物によって作られるので納豆に多く含まれる
  • 腸内細菌が減ると欠乏症の注意がある。
  • 血栓症の人は摂取が不向き
  • 新生児は腸内細菌が発達していないので欠乏症になりやすい(母親が出産直前まで十分にとることが大切
  • 新生児の頭蓋内出血(重症だと後遺症が残ることがある)
 65μg