油脂(脂肪酸)の解説

油脂(脂肪酸)の説明

油(脂肪酸)には様々な種類があって、その脂肪酸の種類によって体に対しての生理作用が変わってきます。

脂肪酸の違いとは=炭素の数や炭素結合の数の違いです。

例えば

炭素の数が12個の中鎖脂肪酸ココナッツオイルなど)は長鎖脂肪酸の半分くらいの長さになります。名前のとうり脂肪酸の長さが短いので体内で分解しやすく素早くエネルギーになります。

炭素の数が14個以上の物は長鎖脂肪酸に分類され、その時の必要に応じて生体の材料になったりエネルギーになったりします。

さらに長鎖脂肪酸は炭素の数や炭素結合の数が増える事にっよってオメガ9系、オメガ6系、オメガ3系と分類され、その摂取のバランスが崩れると細胞を炎症(アレルギー)させたり、細胞の炎症をおさえたり、DHA(脳の脂質中25%の成分)に変化したり、神経伝達物質の働きを助けるl事でうつ病や痴呆症などに効果が期待されています。脂肪酸の種類によって様々な特徴があります。

さらに油の原料によってミネラル、ビタミン、フィトケミカルの種類や配合量も変わってきますので、どんな油を摂るかで私たちの細胞の状態も変わってくるのです。

特に脳の成分は60%は脂質で出来ているので認知力や思考力にも影響してくるのです。

ラットの実験では、摂取した脂肪酸のちがいで、学習レベルの差がつき、さらにその子供(第二世代)、孫(第三世代)になるにつれて学習レベルの差が大きくなったとゆう実験結果も報告されています。

脂肪酸の種類によって生理作用が全然違ってきますので一つの油に偏らす脂肪酸の特徴を認識にあげてバランスを考えて油と付き合っていきましょう。

脂肪酸の全体像を把握しやすいように表を作りました。

脂肪酸は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3種類の原子で構成され、 脂肪酸には、炭素の数や炭素と炭素のつながりの炭素結合の違いにより、様々な種類があります

 

まず一番左の欄は炭素の数を表しています。分子構造の短い中鎖脂肪酸は簡単に分解されやすくエネルギーとして使われやすく、分子構造の長い長鎖脂肪酸は生体の材料になったり必要に応じてエネルギーとして使われます。

  • 炭素数2-4個=短鎖脂肪酸
  • 炭素数5-12個=中鎖脂肪酸
  • 炭素数12個以上=長鎖脂肪酸

左から二番目は炭素の二重結合の数を表しています。二重結合の所は酸化しやすいので、二重結合が多いほど、商品選びや(製造方法)、保管(光、密閉)、調理方法に注意が必要です。

  • 炭素結合が短結合=飽和脂肪酸
  • 炭素結合の二重結合が1つ=一価不飽和脂肪酸
  • 炭素結合の二重結合が2つ以上=多価不飽和脂肪酸

一番右の欄は炭素の二重結合の場所を表しています。分子構造的に右から数えて3つ目に二重結合があればオメガ3ですし、6個目二重結合があればオメガ6になります。

オメガ3とオメガ6は働きはまったく逆の作用として働きます。

○ 炭素の数 ● 二重結合の数 名称と科学構造 食品  特徴  オメガ~は二重結合の場所を表します(0.3.6.9)
2 短鎖脂肪酸 0 飽和脂肪酸 酢酸 CH3-COOH 酢の酸味成分    
4 短鎖脂肪酸 0 飽和脂肪酸 酪酸 CH3-(CH2)2-COOH バター チーズ    
12 中鎖脂肪酸 0 飽和脂肪酸 ラウリン酸 ココナッツオイル47% パームオイル 酸化に強い シャンプー、石鹸など洗浄効果 保湿クリーム

 

飽和脂肪酸(二重結合が0)  
14 長鎖脂肪酸 0 飽和脂肪酸 ミリスチン酸 ココナッツオイル パームオイル
16 長鎖脂肪酸 0 飽和脂肪酸 パルミチン酸 IMG_20160222_000259-COOH パームオイル42% 酸化に強い 過剰摂取は動脈硬化の原因 化粧品や石鹸の酸化防止  
18 長鎖脂肪酸 0 飽和脂肪酸 ステアリン酸 IMG_20160222_041805-COOH ココアバター
16 長鎖脂肪酸 1 一価不飽和脂肪酸 パルミトレイン酸 *9-ヘキサデセン酸 ミンク油 馬油 人間の皮脂  加齢とともに減少 美容効果 オメガ9系列  
18 長鎖脂肪酸 1 一価不飽和脂肪酸 オレイン酸 IMG_20160222_000948-COOH  オリーブオイル73% アボカドオイル63% 菜種油  不飽和脂肪酸の中では一番酸化に強い 動脈硬化予防 体内で合成できる
18 長鎖脂肪酸 2 多価不飽和脂肪酸 リノール酸 IMG_20160222_001028-COOH 大豆油 コーン油 サフラワー油  子供の成長に欠かせない油 細胞の組織をつくる 摂取しすぎると細胞の炎症、アレルギー作用がある オメガ6系列
18 長鎖脂肪酸 3 多価不飽和脂肪酸  α-リノレン酸 IMG_20160222_001327-COOH 亜麻仁油50% エゴマ油60% インカチンオイル50% 麻の実油17%    体内で合成できない 細胞の組織をつくる 体内でEPA.DHAに変換される (血栓、高血圧、がん)予防 学習能力アップ(子供、孫と世代を重ねると能力差が大きくなる) オメガ3系列
18 長鎖脂肪酸 3 多価不飽和脂肪酸  γ-リノレン酸 IMG_20160222_001430-COOH ボラージオイル20% 月見草油  天然食材にはほとんど含まれない 血圧、血糖値を下げる 細胞の炎症を抑える   オメガ6系列
20 長鎖脂肪酸 4 多価不飽和脂肪酸 アラキドン酸 IMG_20160222_012608 -COOH    肉、卵、魚、肝油  アレルギー症状を悪化させる
20 長鎖脂肪酸 5 多価不飽和脂肪酸  イコサペンタエン酸 (又はエイコサペンタエン酸) 〔EPA〕 IMG_20160222_012852 -COOH  魚油  α-リノレン酸から体内でも作られる 細胞の組織をつくる オメガ3系列
22 長鎖脂肪酸 6 多価不飽和脂肪酸  ドコサヘキサエン酸 〔DHA〕 脳の油脂中25%を占める IMG_20160222_013212COOH  魚油

 α-リノレン酸から体内でも作られる 集中力アップ 精神安定 脳細胞の組織をつくる。脳細胞膜を柔軟にするため神経伝達物質を高める