Director’s Console1.0 (ディレクターズ・コンソール) の使い方

科学

Director’s Console1.0 (ディレクターズ・コンソール) 日本語版 Bible

このツール「Director’s Console」を手にしたあなたは、もはや単なるユーザーではない。誰もが映像の「監督」になれる時代の扉が、今開かれた。AIは、あなたのビジョンを形にするために待機している、世界最高のスタッフチームだ。

このバイブルで理論を学び、併設された**コンフィギュレーター**機能を使えば、まるでピザのトッピングを選ぶように、閃きを完璧なプロンプトへと簡単に組み立てられる。さあ、この力を使いこなし、魂をプロンプトに込めて、世界に新たな名作を解き放とう。

【重要】Director’s Console 英語版のご案内

現在、一部の動画生成AIは日本語のプロンプトに完全対応していません。そのため、海外のプロフェッショナルが使うことを前提とした完全英語版のDirector’s Consoleも用意しました!そちらも合わせてご活用ください。

Director’s Consoleの全体像を掴む

優れたプロンプトは、優れた脚本と同じだ。明確な構造を持っている。これから学ぶ各ステップは、最終的に以下の構成要素を持つ一つの完璧な指示文を組み立てるためにある。まずはこの完成形を頭に入れよう。

プロンプトの基本構文

〇〇みたいなスタイル】で【誰がどこで何をしているシーン】を【始点】から【終点】へ【どのレンズ】で【どんな感じ】で【どのカメラワーク】で撮影する。【〇〇】な雰囲気。

例えば、

シネマティックなスタイルで、夜明けの廃墟で、一人の英雄を、ローアングルからハイアングルへ、50mmレンズを使い、荘厳な感じCrane Upで撮影する。希望を感じさせる雰囲気

Step 1: どんなシーンか決める

すべての演出は、監督であるあなたの「意図」から始まります。まずはページ下部にあるDirector’s Consoleの「Step 1」で、撮りたいシーンの核となるアイデアを選びましょう。

1.1 Director’s Consoleの使い方:Step 1

このツールは、まずあなたの頭の中にあるシーンを自由に記述することから始まります。「カスタム(自由記入)」を選び、「誰が、どこで、何をしているか」を具体的に書き込んでください。もしアイデアが浮かばなければ、プルダウンから以下の例文を選び、「例文を挿入」をクリックしてみましょう。すると、Step 2のカメラ設定やStep 3の項目が、そのシーンに最適な形で自動的に入力されます。

日の出の山頂で勝利した英雄
新たに発見された広大な谷にいる孤独な探検家
夜の雨に濡れた無人の通りにぽつんと佇む人物
暗く狭い路地裏にいる謎の影

※注意:例文を挿入しても、スタイルは自動では選択されません。Step 3で解説する34種類のスタイルから、一つ、あるいは複数組み合わせて、あなただけのオリジナルな映像世界を完成させてください!

Step 2: カメラを設計する

シーンの核が決まったら、次はそれを映像に変換する「技術」を選択します。Director’s Consoleの「Step 2」では、あなたの「眼」となるレンズ、カメラの動き、そしてそのニュアンスを定義します。

2.1 レンズ選択 (焦点距離)

レンズは世界の歪み方や被写体との距離感を決定します。ツールの「レンズ選択」ドロップダウンから、シーンに最適な焦点距離を選びましょう。

焦点距離 種類 効果・印象
14–20mm 超広角 ダイナミック、歪みあり
24–35mm 広角 環境描写と人物のバランス
50mm 標準 人間の視野に近い、自然な描写
85–135mm 中望遠 背景圧縮、ボケ効果、ドラマ性
200mm〜 望遠 被写体を強調、背景が溶ける

2.2 & 2.3 動作と修飾

カメラをどう動かすか、そしてその動きにどんな感情を乗せるかを定義します。「基本動作」と「修飾(形容詞)」を組み合わせることで、演出の意図がより明確になります。

基本動作

  • Crane Down (大型クレーンで上から下)
  • Crane Up (大型クレーンで下から上)
  • Dolly In (カメラ自体が寄る)
  • Dolly Out (カメラ自体が離れる)
  • Jib Down (小型クレーンで上から下)
  • Jib Up (小型クレーンで下から上)
  • Pan Left / Right (左右へパン)
  • Tilt Down / Up (上下へティルト)
  • Tracking Shot (被写体を追跡)
  • Zoom In / Out (レンズで拡縮)

修飾(形容詞)

  • triumphant (勝利に満ちた)
  • emotional (感情的な)
  • soaring (舞い上がるような)
  • majestic (荘厳な)
  • epic (壮大な)
  • awe-inspiring (畏敬の念)
  • slow (ゆっくりと)
  • melancholy (物悲しい)
  • distancing (距離を置く)
  • suspenseful (サスペンス)
  • dramatic (劇的な)
  • ominous (不吉な)

Step 3: シーンを具体化する

意図と技術が決まったら、最後にその舞台となる世界を具体的に描き出します。Director’s Consoleの「Step 3」では、映像のルック&フィールから、被写体、場所、そして複雑な感情のレイヤーまでを構築します。

3.1 スタイル

映像のルック&フィールを定義します。ツールの「スタイルを選択」ボタンから、これらの要素を自由に組み合わせて、あなただけの映像スタイルを定義してください。

カテゴリ 選択肢
🎬 映画・映像スタイル Cinematic, Film Noir, Arthouse Film Style, 1980s Film Style, Documentary Style, Handheld Camera, One Take Sequence, Music Video Style
🎨 アニメ・ビジュアルスタイル Modern 3D Anime Style, Cel-Shaded 3D, Japanese Anime Style, Ghibli Style, Pixar Style, Semi-realistic Anime, Rotoscope Animation
🌌 ジャンル系 Sci-Fi Movie Style, Cyberpunk, Post-Apocalyptic, Space Opera, Fantasy, Dark Fantasy, Time Travel Theme, Steampunk
🧠 トーン・ムード Dark and Tense, Lyrical and Poetic, Nostalgic, Retro Futurism, Hyper-Realistic, Dreamy and Surreal, Philosophical / Meta-Fictional
🌍 文化・地域スタイル Middle Eastern Epic Style, Oriental Fantasy, Afrofuturism, European Period Drama

3.2 具体的な構成要素

以下の項目を、ツールの各入力欄に具体的に記述することで、AIはより正確にあなたのビジョンを理解します。

  • 被写体 (Subject): `孤独な戦士`, `二人の恋人`, `謎の生き物`
  • 始点 (Start Point): `ローアングルから`, `キャラクターの背後から`
  • 終点 (End Point):** `ハイアングルショットへ`, `目のクローズアップへ`
  • 場所 (Location):** `ネオンきらめく夜の街で`, `荒廃した戦場で`

※Step1で自由記入した場合、被写体と場所は記入できません。自由記入欄で「誰が」「どこで」何をするシーンか記述してください。

3.3 「雰囲気・感情」で、魂に深みを与える

「雰囲気・感情を選択」ボタンから、これらの感情を複数選んで組み合わせることで、映像に深みを与えることができます。

カテゴリ 選択肢 (英語 / 日本語訳)
🌤️ ポジティブ・希望・感動系 creating a sense of hope (希望を生み出す), evoking wonder (驚嘆を呼び起こす), uplifting and inspiring (気持ちを高揚させ、インスピレーションを与える), emotionally moving (感情的に動かす), filled with warmth and joy (温もりと喜びに満ちている), awe-inspiring atmosphere (畏敬の念を起こさせる雰囲気), a triumphant feeling (勝利感を感じさせる), sense of rebirth or renewal (再生・リニューアルの感覚)
🌑 ダーク・緊張・恐怖系 building suspense (緊張感を高める), evoking dread (恐怖感を呼び起こす), dark and ominous mood (暗く不穏な雰囲気), claustrophobic feeling (閉塞感を与える), emotionally disturbing (感情的に不安にさせる), tense and foreboding (張り詰めた、不吉な), haunting and surreal (不気味で幻想的)
🧘 静寂・瞑想・余韻系 creating a meditative atmosphere (瞑想的な雰囲気を作る), a sense of solitude (孤独感を醸す), serene and tranquil (静かで穏やかな), calming and introspective (心を落ち着かせ、内省を促す), lingering silence (残響のような沈黙), slow and contemplative tone (ゆっくりとした内省的なトーン)
🌀 不思議・夢・幻想・抽象 dreamlike quality (夢のような質感), surreal and poetic (シュールで詩的な), ethereal feeling (非現実的で神秘的), a sense of mystery (神秘感), blending reality and imagination (現実と想像を融合), floating in a timeless space (時間のない空間に浮かんでいるよう)
💥 エネルギー・活気・スピード感 intense and energetic (激しくエネルギッシュ), fast-paced and thrilling (スピード感がありスリリング), dynamic and powerful (動的で力強い), full of adrenaline (アドレナリンに満ちている), cinematic impact (映画的インパクト), explosive emotion (爆発的な感情)
💔 哀しみ・喪失・感傷 evoking sadness (悲しみを呼び起こす), melancholic and reflective (物悲しく内省的), sense of loss (喪失感), nostalgic and longing (郷愁と切なさ), achingly beautiful (胸が締めつけられるような美しさ), emotional vulnerability (感情的な脆さ)
✨ 変化・進化・旅の雰囲気 a sense of transformation (変容の感覚), journey of discovery (発見の旅), unfolding mystery (展開する謎), crossing into the unknown (未知への旅立ち), emotional arc (感情の弧を描く)

結論:究極のプロンプト構文

これら全ての要素を統合し、AIに君の完璧なビジョンを伝えるための究極の構文がこれだ。

[スタイル], [形容詞 基本動作] with [レンズ], from [始点] to [終点], showing [被写体] in [場所], [雰囲気や感情].

実践例

意図: 荒廃した世界で、主人公が最後の希望を見出す、壮大で感動的なシーンを作りたい。

  1. シーン: テーマ=`荒廃した世界で、主人公が最後の希望を見出すシーン`
  2. カメラ: レンズ=`24-35mm (広角)`, 動作=`Crane Up`, 形容詞=`荘厳な`
  3. 具体化: スタイル=`シネマティック, ポストアポカリプス`, 被写体=`一人の生存者`, 場所=`日の出の廃墟`, 雰囲気=`希望を感じさせる, 畏敬の念を起こさせる`

完成したプロンプト:

シネマティック、ポストアポカリプスなスタイルで、日の出の廃墟で、一人の生存者を、肩越しの視点から風景全体を見渡すハイアングルへ、24-35mmレンズを使い、荘厳な感じでCrane Upで撮影する。希望を感じさせる、畏敬の念を起こさせる雰囲気。

理論は学んだ。さあ、傑作を生み出そう。

このバイブルで学んだ全てを、今すぐ実践できるツールがここにある。あなたのビジョンを、完璧なプロンプトへと変換しよう。


Director’s Consoleを起動する

健闘を祈る、監督。

コメント

タイトルとURLをコピーしました